ぢごくの忘年会

職場の忘年会は泊まりだ。
ただでさえ飲み、騒ぎ、暴れまくる検査部の宴会のこと、泊まりとなれば毎年必ず撃沈者が出る。
宴会場での一次会のあと、部屋飲みの二次会に来ない人はたいてい自分の部屋で死んでいる。
しかし今年はほぼ全員（約20名）二次会部屋に姿を現した。
そして深夜2時過ぎ、忘年会は無事終わった。

たった一人の死亡者を除けば…。

12時以降、わたくしはずっとトイレの中にいました。
2回くらい吐いたのを覚えていますが、ほとんど気を失っていました。
吐いてはぐったりしてしまうので、ブツを流しもせず、トイレの床に座り込んだまま…。

もう飲まない、酒なんて飲まないよ〜！！！

翌朝、一応布団の上で目を覚まし、苦しさに唸っていると、朝風呂に行った連中が戻ってきた。
「佐倉さん、大丈夫ですか〜？」
後輩のNだ。
「なんかこの部屋寒くないですか？　エアコンついてないのかな」
同期のAも戻ってきた。
「あっ寒い！　あれ？　窓開いてない？」

おまえら、酔っ払いを窓の開いた部屋に放置して殺す気か！？

「佐倉さん覚えてますか？　昨夜のこと」
「覚えてるよ。全部」
「涙のリクエストも？」
「一次会はしっかりしてたもん」
…そういや歌ったな。フレーズの間に『玲ちゃーん』っていう親衛隊の掛け声と、3人の変なダンサー付きで。
私も腕振り回して踊ってたよ。
「Kさん（39歳主婦）に『おじいちゃ〜ん』って言い続けてたことは？」
「二次会も最初は元気だった」
っというか、最後まで元気だった。ちゃんと記憶も全部ある。
いつも私は突然来るから直前までは元気に喋ったり笑ったりしている。
「ねえ、お茶くれない？　昨日お茶も水も全然飲んでないから、上からは出したけど腎臓からは出てないのよ」
「え？　玲ちゃん最後すっごいお茶飲んでたよ。お茶くれお茶くれって全部飲んじゃったからもうないよ」

え？
お茶飲んでた？

「ごめん、お茶飲んだ記憶ない」

その後、私はしっかり立って普通に用を足しにトイレに行ったと思い込んでいたが、よろよろと這って行ったことも判明。
また、お茶を飲みながら『全身が痺れてる』と繰り返していたことも判明。


もう絶対こんなことしない！
今後は2×歳らしい大人の飲み方を研究していくことにします。