どうしたって悪い日

2001年9月13日
すべての偶然がいい方向に流れるときがある。
自分はなんて運が良いのだろうと感じたこと、何度もある。

その代わり、「どうしたって悪い日」も必ずあるわけで…。

最近どうも機械の調子が悪いな、と思いつつも、だましだまし使ってルーチンは何事もなく終了。
今日はさっさと帰ってやらなきゃならないこともあったし、早めにシャットダウンの準備を始めた。

今週はどういうわけか火曜、水曜と2日連続で夕方5時過ぎに緊急で検体が出た。
でも、だから今日は大丈夫、と勝手に思っていた。
しかし、4時40分、電話が鳴って事態急変。
夕方、出血が始まった患者を内視鏡室で処置していたが止まらないらしく、検査と輸血の依頼が来た。

今日はどうしても7時には帰りたい。
まだあと2時間ある。大丈夫大丈夫…と自分に言い聞かせるも、2年前の夏のことが頭をよぎる。

2年前の夏、私は輸血の担当だった。
ある日、やはり出血した患者が、血管造影室で処置されていたのだが、とにかく出血がひどく、何度も輸血を運びながらずっと検査室で待機した。
この日、患者が落ち着いて私が病院を出たのは夜中の12時半だった。

いつもなら、今日はどうしても用事があるから、と言って誰かに待機を頼むこともできたかもしれない。
でも、今日に限って人がいない。
よりによって今日は「臨床検査自動化学会」という大きな学会のメインの日で、学会に行った人たちを欠いての仕事だった。
フロアーは普段10人のところ、4欠の6人、しかも、うちふたりは新人。
…ダメだ、帰れねえ。

泣く泣く検査室で待機。
こんな時のために常備してあるカップラーメンをすすりながら、待機解除になるのを待ちつづけた。


8時半を過ぎて、最後の電話が鳴った。
夜間分の輸血を準備して、待機解除との知らせ。

あまりのことにカーステレオをつけるのも忘れて車を運転する私の頭の中に歌が鳴り響く。

「誰にだって訪れるさ どうしたって悪い日は〜」
  (♪ONE DAY/CHAGE&ASKA)

明るい曲調の歌なのに、こんなに寂しく響いたのは初めてでした。

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