教えることの難しさ
2001年8月4日今週はすごかった。
週の始まり日曜日にネプ単独ライブ、そして週の終わりの今日土曜日にゴーゴゴーの観覧。
な〜んて素敵な1週間。
…それはまあいいとして、その間に挟まれた月曜〜金曜のことでいろいろ悩んでいる。
今、検査室に病院実習の学生が来ている。
今のセクションは担当2年目だというのに、血液検査室に2週間いる学生を指導しなければならなくなった。
問題は、私自身が人に教えるレベルには達していないことだ。
4月に今までの担当者が異動してしまい、突然起きたこの事態。
とりあえず教科書を引っ張り出して勉強開始。
検査室の資料保管室から今までの勉強会の資料、学会誌などを探して指導用の資料を作る。
最終的には前日に必死で頭に叩き込んだことを、付け焼刃で学生に説明するということを繰り返し、なんとか5人中2人までの実習を終えることができた。
そんな自分の力のなさを痛感したこともあり、この間の山形での研修は自分から行かせてくれと頼んで参加してきた。
その研修中、3人目の学生が血液に回って来た。
実質10日の実習日のうち、3日間不在にしてしまうが、今までの学生を見てきた感じでは大丈夫だろうと思っていた。
研修の前日、3日間にやることを念入りに説明し、標本を何枚か渡し、血液検査室の他の人にも学生のことをよ〜く頼んで出かけた。
今週月曜日、忙しい時間帯が一段落したあとで学生を呼び、先週のことをいろいろ訊いた。
でもなにを訊いても「…?」って感じ。
なんなの? この子大丈夫?
とにかくこの学生はなにを訊いてもはっきりと返事を返さない。
例えば
「血算で使う採血管に入っている抗凝固剤は?」
と訊いても、
「………(下を向いたままのこの間が異常に長い)EDTA……?」
聞き取れないくらいの声で言いながら上目遣いでこちらを見る。
「じゃあ凝固で使うのは?」
「………ヘパリン……?」
「ヘパリン?」
「えっ……と………」
「じゃあ、グルコースは?」
「………………」
「じゃあ明日までの宿題ね。血算、凝固、グルコース、それから血ガスで使う抗凝固剤と、その作用について、明日また訊くから」
「はい、分かりました」
で、翌日。
「昨日の続きね。凝固で使ってる抗凝固剤は?」
「クエン酸」
「グルコース」
「フッ化ナトリウム」
「血ガス」
「ヘパリン」
「じゃあクエン酸ナトリウムと血液の割合は?」
「………割合……?……えっ………と…」
「割合はすごく大事なんだけど。読んでこなかったの?」
「………」
「じゃあ今ちょっと調べて」
つい口調がきつくなってしまう。
納期が8月1日の仕事を抱えていたからなおさらだ。
じっくり教えてあげたいが、こっちもルーチンと、期限の迫った仕事とを抱えて余裕がない。
かといって、「こうこうこうなんだよ」とすべて説明してしまっては意味がない。
もうすべて学校で勉強してきたはずのところだ。
できるだけ自分で考えて、答えを出させたいと思ったので、教科書に書いてあることをこちらから喋ってしまっては意味がない。
彼女の問題点はそれだけではなかった。
実技の実習の時は、すべての手技を頭に入れ、試薬や器具を準備し、分からないところを質問してから始めるように、と言ってやらせている。
ところが彼女は質問もないまま始めてしまう。
それで正しくできればいいのだが、まったく考えられないような間違いをする。
そして間違ったままどんどん進めてしまい、どうしようもなくなってから言いに来る。
私はこの話を先に彼女を見たMから聞いていたので、ときどき様子を見ながらやらせていたのだが、こっちも忙しいからついほったらかしにしてしまう。
その間にやらかされてしまった。
問題は手技のミスというより、検査の目的をまったく理解していないため間違ったままやってしまうということだ。
もう、どうしたらいいのか分からなくなってしまった。
そしてそのまま実習期間が終わってしまった…。
忙しくて実習生に時間が割けなかったのが申し訳なくて仕方ない。
自分の力のなさも悔しい。
ついイライラしてしまってあとで自己嫌悪。
なんとか、ひとつでも、実習でしか得られない何かを持ち帰ってほしいと思っているのだが…。
あ〜〜〜後悔と反省ばかりだ。
心から「先生ってすごい」と思いました。
週の始まり日曜日にネプ単独ライブ、そして週の終わりの今日土曜日にゴーゴゴーの観覧。
な〜んて素敵な1週間。
…それはまあいいとして、その間に挟まれた月曜〜金曜のことでいろいろ悩んでいる。
今、検査室に病院実習の学生が来ている。
今のセクションは担当2年目だというのに、血液検査室に2週間いる学生を指導しなければならなくなった。
問題は、私自身が人に教えるレベルには達していないことだ。
4月に今までの担当者が異動してしまい、突然起きたこの事態。
とりあえず教科書を引っ張り出して勉強開始。
検査室の資料保管室から今までの勉強会の資料、学会誌などを探して指導用の資料を作る。
最終的には前日に必死で頭に叩き込んだことを、付け焼刃で学生に説明するということを繰り返し、なんとか5人中2人までの実習を終えることができた。
そんな自分の力のなさを痛感したこともあり、この間の山形での研修は自分から行かせてくれと頼んで参加してきた。
その研修中、3人目の学生が血液に回って来た。
実質10日の実習日のうち、3日間不在にしてしまうが、今までの学生を見てきた感じでは大丈夫だろうと思っていた。
研修の前日、3日間にやることを念入りに説明し、標本を何枚か渡し、血液検査室の他の人にも学生のことをよ〜く頼んで出かけた。
今週月曜日、忙しい時間帯が一段落したあとで学生を呼び、先週のことをいろいろ訊いた。
でもなにを訊いても「…?」って感じ。
なんなの? この子大丈夫?
とにかくこの学生はなにを訊いてもはっきりと返事を返さない。
例えば
「血算で使う採血管に入っている抗凝固剤は?」
と訊いても、
「………(下を向いたままのこの間が異常に長い)EDTA……?」
聞き取れないくらいの声で言いながら上目遣いでこちらを見る。
「じゃあ凝固で使うのは?」
「………ヘパリン……?」
「ヘパリン?」
「えっ……と………」
「じゃあ、グルコースは?」
「………………」
「じゃあ明日までの宿題ね。血算、凝固、グルコース、それから血ガスで使う抗凝固剤と、その作用について、明日また訊くから」
「はい、分かりました」
で、翌日。
「昨日の続きね。凝固で使ってる抗凝固剤は?」
「クエン酸」
「グルコース」
「フッ化ナトリウム」
「血ガス」
「ヘパリン」
「じゃあクエン酸ナトリウムと血液の割合は?」
「………割合……?……えっ………と…」
「割合はすごく大事なんだけど。読んでこなかったの?」
「………」
「じゃあ今ちょっと調べて」
つい口調がきつくなってしまう。
納期が8月1日の仕事を抱えていたからなおさらだ。
じっくり教えてあげたいが、こっちもルーチンと、期限の迫った仕事とを抱えて余裕がない。
かといって、「こうこうこうなんだよ」とすべて説明してしまっては意味がない。
もうすべて学校で勉強してきたはずのところだ。
できるだけ自分で考えて、答えを出させたいと思ったので、教科書に書いてあることをこちらから喋ってしまっては意味がない。
彼女の問題点はそれだけではなかった。
実技の実習の時は、すべての手技を頭に入れ、試薬や器具を準備し、分からないところを質問してから始めるように、と言ってやらせている。
ところが彼女は質問もないまま始めてしまう。
それで正しくできればいいのだが、まったく考えられないような間違いをする。
そして間違ったままどんどん進めてしまい、どうしようもなくなってから言いに来る。
私はこの話を先に彼女を見たMから聞いていたので、ときどき様子を見ながらやらせていたのだが、こっちも忙しいからついほったらかしにしてしまう。
その間にやらかされてしまった。
問題は手技のミスというより、検査の目的をまったく理解していないため間違ったままやってしまうということだ。
もう、どうしたらいいのか分からなくなってしまった。
そしてそのまま実習期間が終わってしまった…。
忙しくて実習生に時間が割けなかったのが申し訳なくて仕方ない。
自分の力のなさも悔しい。
ついイライラしてしまってあとで自己嫌悪。
なんとか、ひとつでも、実習でしか得られない何かを持ち帰ってほしいと思っているのだが…。
あ〜〜〜後悔と反省ばかりだ。
心から「先生ってすごい」と思いました。
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