仕事でダメージを受けて帰ってきた。

4月からの異動に伴い、私の周りの環境も大きく変わった。とりあえず、今まで3人でやっていた仕事を、当面(まあ、1番きついのは2週間くらいのものだと思うが)1人でまわさなければならない。でもそんなことはべつにいい。やり方を考えて、上手くやればできないことじゃないし、忙しいのは嫌いじゃない。

3人でやっていれば、午前中から顕微鏡の前に座れる。でも1人なので、血液標本は全部午後に回して、午前中は立ち仕事に徹することにした。しかし今日は予想より仕事がスムーズに進み、午前中に少し余裕ができた。わずかでも今のうちに標本を見ようと思い、一枚目のスライドグラスを戴物台に載せた。
ピントが合った瞬間、いやな感じがした。血液内科の患者で、急性骨髄性白血病が寛解状態(化学療法で白血病細胞を叩いて、病気が落ち着いている状態)にあった人の標本。ざっとながして見たが、明らかに白血病細胞が出ていた。…再発。
その他の検査データも、再発を示唆する結果が出ていた。それでもう気持ちはがっくり。午前中に標本を見る気ゼロ。
ドクターを呼び、骨髄標本を一緒に見る。再発は疑いようもなかった。

患者はまだ50歳前の女性だ。仕事もしている。…いや、この3月で退職したと、今日ドクターから聞いた。
白血病との付き合いは長い。化学療法、寛解、経過観察、化学療法…と薬での治療は長く、苦しい。それでも完全治癒にはなかなか到達しない。寛解後も地固め療法という化学療法を続ける。完全に白血病細胞を薬でなくすことは難しい。もちろん私は医者ではないので、詳しい化学療法のプロトコールなどは知らない。でも、血液内科の患者の名前は、ほとんど覚えている。それだけ頻繁に採血し、長く治療を受けている。
そしてある時ぷっつりとその名前を見かけなくなる。最後には白血病細胞を狙った強い薬が、正常細胞だけを殺し、骨髄には白血病細胞だけが残り、そして病気に負けてしまう…ことが多い。

若い患者もまた多い。若い人ほどより病気との付き合いは長い。若くて、治療に耐えられ、治癒の見込みがあれば骨髄移植ももちろん検討されるが、それで助かった例を聞くことのほうが少ない。
年が明けてから20代の結婚して間もない女性と、10代の男の子がやはり血内に入院している。どちらも急性リンパ性白血病。現在化学療法中だ。

外来で治療中の白血病の人たちの採血をするときよく思う。すごくいい人たちが多いんだよね。辛そうなのに。

些細なことで腹を立てたり、不平不満ばっかり言ってちゃいけないな。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索